かつての中東戦争では、東西冷戦の代理戦争として共産圏がアラブ諸国を、西側がイスラエルを支持していました。
ですから当時のアラブ諸国は皆、共産圏からワルシャワ条約機構軍規格の兵器を供給され、軍事顧問を受け入れていました。
つまり、かつてソ連がまだ健在であった時代、特にアフガン戦役で共産圏とイスラム世界の仲にヒビが入る前の時代では、アフガニスタンで劣勢な共産主義政権を助けにソ連が侵攻を行った様に、ソ連が動くのでは?と言う警戒感が有った訳ですね。
しかし、そんな構図はソ連崩壊で消滅し、現在は利害対立が有るだけで、東西のイデオロギー対立は存在しません。ロシアはソ連崩壊後は雪崩れを打った様に再びキリスト教化しました。
ロシアは、戦争を終わらせる為には米大統領が共和党から出る事を期待しているでしょう。
その場合、共和党支持層に多いシオニストの事を考えると、イスラエルに攻め込むなんて選択肢は有り得ない筈です。
エゼキエル戦争と言うのは東西冷戦時代の中東戦争を背景にしていた政治•軍事の話で、伝統的な聖書の読み方とは関係無いのではないかなと思います。
因みに、エゼキエル書のロシ(ロシュ)と言うのは、ヘブル語からギリシャ語に翻訳した際の誤訳です。
エゼキエルは今から3000年前の預言者であり、一方でロシアと言う国名の由来になった中世ルース諸国成立は今から1000年前の出来事です。
つまり時系列ではエゼキエルと中世ルースの間には2000年の差が有るんです。
エゼキエルは後の時代のローマ帝国を、第四の帝国と表現し、具体的な国名は言明しませんでした。まして2000年後のルース諸国を誤訳を予測して表現していたなんて事は有り得ませんよね。
と言う訳で、エゼキエル戦争と言う話は、ソ連が解散した時点で解消した政治•軍事分野の都市伝説で、伝統的な聖書の読み方とは関係無い話であろうと言う話でした。